5つの学びと鍛錬
武道:極真空手・護身武道
道場稽古では、心と体を鍛え、困難や目標に向かって努力できる強い精神力(集中力・忍耐力など)を養い、自分に自信と勇気が持てるようになることを目指して心身の鍛錬を行います。
稽古では主に突きや蹴り等の攻防技術を学びます。極真空手の稽古体系を大きく分けると「伝統稽古」と「組手稽古」の2種類があります。同じ「突き」、「蹴り」を行っているように見えますが、それぞれの目的には若干の違いがあります。
伝統稽古
伝統稽古とは反復練習の中で忍耐力を磨きながら潜在能力を引き出すための稽古方法と言えますが、競技試合には直結しないため、意味を理解しにくいものです。道場では、伝統的な技(基本・移動・型)の稽古をただやみくもに行うのではなく、稽古を行う人が、意味を感じながら前向きに取り組んでいけるよう、研究し紹介していきたいと考えます。組手稽古
安全を考慮して制定された競技ルールをもとに技を研究する稽古方法です。自分の技と体力を向上させるとともに相手の戦い方やプレッシャー、周囲の状況に動じない心理的な対処方法を学びます。対人練習を通じて積極的な努力や決断力を養うための稽古方法と言えます。
徳育:少年少女とくいく「論語」
徳育とは良い心を育むという意味です。武道人育英会では、少年部を対象に人格形成をテーマにした「とくいく論語」の素読や講習会を通して、子供達の心の成長を育む徳育指導を行っています。極真空手(武道)の稽古を通して強い身体と精神を養うことができますが、人間としての正しいものの見方、考え方、善悪の判断といった人間性を養うことには必ずしも結びつきません。
とくいく「論語」の素読や講習会(学習会)といった学びを通して、未来を担う子供たちの心に〝徳〟(良い心の働き)を養うことによって〝道徳心〟を育んで行きます。
論語の素読
論語とは、中国の思想家孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物です。
素読とは意味や内容を考えずに声を出して読むことです。日本では昔の寺子屋では盛んに行われていました。意味は分からなくても繰り返し声に出して読んでいるうちに漢文の美しいリズムが心に響き、体の奥に蓄積されます。やがて意味が分かり理解できるようになり、心に深まるときが来ます。人格形成に影響を与えるだけでなく、思考力や想像力、国語力の向上や豊かな感性を育むことができます。徳育学習
「徳育学習会」では論語や仏教などの古典の教えを通じて、人間にとって最も大切な仁徳を養い、人としての正しい心のあり方、生き方を学びます。論語は、自分自身の人格を磨く学問として、人生と社会生活をより良く生きて行く為の学びであり、仏教は幸せな生活を送るための「心得」です。釈迦や孔子の教えが詰まった、「仏教」や「論語」での学びを通して、仁徳を養い、未来ある子供たちと皆さん一人一人の人間性を磨く学びの機会となり、人間が本来持っている良心にもとづいた考え方や行動が出来るように皆さんと共に学び、夢と希望に満ちた素晴らしい未来を創造していきたいと考えています。
礼法:挨拶・返事・礼儀作法
道場では、まず姿勢、挨拶、返事、言葉使い、身だしなみ、履物を揃えるといった礼法の基本から学びます。私達の道場では、日常生活で使われるお辞儀や挨拶、返事、言葉づかいなども稽古、競技会、審査科目の中に取り入れています。
日常使う、挨拶言葉、返事、三つのお辞儀(会釈・敬礼・最敬礼)といった礼儀作法の修得と実践を通して心を整え姿勢を正すことを大切にして指導を行っています。
日本式礼法:会釈/敬礼/最敬礼
日本式礼法のもとになっている小笠原流礼法では最も大切にされているのは姿勢です。お辞儀には、頭を下げ自分の首を差し出すという動作の意味から、自分には敵意がないということを示します。おじぎする際の角度によって意味の度合いが変わります。お辞儀の仕方にも呼吸法があり、呼吸に動作を合わせると滑らかで美しいお辞儀になります。また、相手の呼吸に合わせてお辞儀することで、それが「心を通わせる」ことに通じます。- 空手式礼法:十字礼/座礼/押忍
稽古では正座する時には拳を握り、立礼をする際も十字礼と言われる所作を行います。それは隙を見せない、機敏に動けるようにする等の護身的な意味が含まれています。道場で使われる押忍という返事も同様で、「刃(技」は必要な以外の時は「心」という鞘に収め、自分の未熟さと他者の暴力を「押さえる」という精神が込められています。 礼儀作法とは
礼儀作法とは、自分を心と体の姿勢を整えながら他人の行動や感情に対する“気遣い”や“思いやりの心”を形としてあらわしたものです。そして社会的な地位や立場に対する正当な敬意をあらわします。礼は決まりではなく人間の良識から発生する『ものの道理』です。
作法とは「自分の立場を知り」「周囲に不快を与えない」ことです。それは、人を「困らせない」、「怒らせない」、「淋しがらせない」、「心配させない」、「手数をかけさせない」、「いやがらせない」、「恥をかかせない」、「当惑させない」などを言います。何が相手にとって「不快」かということを理解するには、立場を変えて考えてみるという意識の切り替えが必要です。
「礼儀作法」とは身の処し方の知恵ともいえます。不作法が対立を生み危険を招くということを理解すれば、礼儀作法は、レベルの高い護身術(心得)にもなります。
護身:護身技・護身サポート
護身は相手を倒すことが目的ではありません。被害を最小限にとどめ、自分もしくは他人の身体の安全と命を守ることを第一に考えます。相手との間合いを取り攻撃を回避すること。そのための時間を作ることで危機的状況を回避する方法を探すことが護身の第一歩といえます。
道場では護身のための知識や考え方を様々な事例を通して紹介していきます。競技試合に勝つことだけが目標になってしまうと偏った技術しか練習しなくなり、本末転倒になってしまうとも考えられるので注意が必要です。
日本道人育成会では、会員を対象として、いざという時の護身技の修練と身近な所で生じる犯罪やトラブルに対して、会員の安全を守る「護身サポート制度」があります。近年、犯罪の内容は悪質で巧妙化し短絡的な動機による殺傷事件、通信機器を利用した犯罪、更にはストーカー事案など、多数の事件が毎日のように報道されています。犯罪被害は他人事ではなく身近な問題として捉えることが必要です。身近な所で生じる犯罪やトラブルに危険を感じるようなことがありましたら、各道場の担当指導員にご相談下さい。「護身委員会」を通して適切な対処方法を検討しサポートいたします。
護身委員会「役員」
委 員 長:藤島清彦(代表師範)
副委員長:小山健太朗(准師範)
運営委員:池本幸司(准師範)/柴田正志(准師範)/青木伸晃(准師範)
運営委員:太田英明(正指導員)/野崎勝世(正指導員)/片山浩二(正指導員)
運営委員:菊山二郎(正指導員)/黒石靖俊(正指導員)/井上正彦(正指導員)
運営委員:地面浩貴(正指導員)/丸尾浩沖(正指導員)/各道場責任者
健康:体力づくり・健康管理
道場稽古で行われる様々な運動は、筋力アップ、柔軟性、バランス感覚、体脂肪燃焼、美容、ストレス発散など体力づくりと健康管理に効果があります。体力的な効果に加え、稽古に参加するようになると夜更かしや暴飲暴食を控え生活習慣を整えるという意識が生まれ、バランスのとれた生活習慣に変わっていきます。
ストレス解消になりバランスが整う
ストレスは心を不安定にさせるため、不自然な食欲につながったり胃の働きが低下したりする場合があります。
空手道場では、突いたり蹴ったり組手の稽古をするなど、普段の生活では体験できない、部分を総合的に鍛えることが出来ます。ストレスが溜まりがちな人にとってはよい発散場所になります。空手で大きな声を出して体を動かすみと事態が良い気分転換になるため、なんとなく疲れやすい、やる気が起こらないという時にでも、道場で汗を流すことで不安定な心体のバランスを整える効果が期待できます。